通知が届いた
事後調査でコンテナが止まることはありません。だからこそ輸入者はこれを過小評価します。
通知は通常、すでに終了した期間の申告書・インボイス・契約・支払記録の提出を求めます。港では何も変わらず、業務は通常どおり続きます。そして数年分の出荷を対象とする更正が届きます。一貫して適用された一つの立場は、それを用いたすべての申告に積み上がるからです。
本稿は、この先一か月をどう動かすか決めなければならない財務責任者・輸入コンプライアンス担当者のために書いています。
本稿は一般的な情報であり、個別事案への法的助言ではありません。遡及期間、加算税の水準、各種期限は法令で定まり変動します。貴社の申告日に照らして現行の取扱いを弁護士にご確認ください。
1. 事後調査とは何か、何でないか
通関は貨物の引取りであって、税額の最終判断ではありません。事後調査は引取り済みの申告に立ち返り、納付関税が正しかったかを検証します。
ここから二つの帰結が生じ、輸入者はたいてい両方を見落とします。
- リスクは過去に遡り、累積する。 争点は一件の出荷ではありません。
- これは書面の作業であり、現物検査ではない。 結果を決めるのは製品ではなく貴社のファイルです。
2. なぜ貴社が選ばれたのか
繰り返し見られる端緒:
- 申告価格 が同種貨物の比較可能な輸入より低い
- 分類 が当局の考える正しい税率より低い税率を導いている
- 原産地の主張 — 貿易協定に基づく特恵の適用
- 関連者間価格 — 親会社や関係会社からの購入
- 優遇制度の利用 — フリーゾーン、保税、BOI、戻し税
- 業種一斉調査 — 業界全体が対象となり、貴社がその中にいる
どれに当たるかで準備すべきものが変わります。推測せず、要求された書類の範囲から特定してください。
3. 最初の30日
- 記録を凍結する。 申告書、インボイス、契約、支払証憑、供給者および通関業者との往復文書、それらを生成したシステム。「整理」はしないでください。
- 申告の母集団を把握する。 どの申告、どの期間、どの製品ライン、どの申告上の立場か。母数が分からなければ影響額は測れません。
- 社内責任者を一人置き、連絡をすべてそこに通す。
- 当時の判断を再構成する。 分類は誰が、何を根拠に設定したか。助言や事前教示はあったか。記録と理由のある立場は、たとえ最終的に誤りとされても、誰も説明できない立場とはまったく扱いが異なります。
- 実質的な回答の前に助言を得る。 初期の書面回答は、その後すべての枠組みになります。
4. 課税価格はどう検証されるか
出発点は貨物について現実に支払われた価格ですが、その価格には加算と条件が付されます。見落としの多い加算項目:
| 見落とされやすい | 調査で表面化する理由 |
|---|---|
| 貨物に関連するロイヤルティ・ライセンス料 | 別部門が支払い、知的財産コストとして扱われ、輸入コストと認識されない |
| 買手が製造者へ提供した金型・材料などの無償提供物品 | 無償または低廉提供のため、どのインボイスにも現れない |
| 運賃・保険の要素 | 取引条件ごとに処理が不統一 |
| 手数料 | 買付手数料と販売手数料で扱いが異なる |
| 輸入後の支払い・リベート | クレジットノートや遡及調整が実際の価格を変える |
申告価格が認められない場合、代替的な評価方法が定められた順序で適用されます。財務責任者にとっての実務的要点は、自ら価格を説明するほうが、他者に価格を構成されるよりはるかに良い ということです。
5. 分類と原産地
分類の争いは貨物の客観的な性状で決まり、商業上の呼称や ERP 上のラベルでは決まりません。技術仕様・組成・機能を早期に揃え、記述を一貫させてください。販促のために書かれ申告と矛盾する説明は、相手方への贈り物になります。
貿易協定に基づく原産地の主張には独自の立証責任があります。特恵を主張したのであれば、裏付書類が現存し、かつ実際に船積みされた貨物と一致している必要があります。
6. 更正が出た後
順序は 更正 → 異議申立て → 審査請求 → 税務裁判所 です。各段階に固有の期限があり、期限は短く厳格に運用されます。
各段階の判断は三つの問いに照らして行うべきです。
- 実体面での技術的立場はどれだけ強いか
- 譲歩は過去と将来の何件の申告に影響するか
- 争っている間に何が積み上がり続けるか
最後の点が重要です。争訟中も利息や附帯税の負担は通常増え続けるため、弱い案件を長く争うのは最悪の組み合わせです。逆に、強い立場を速さのために手放せば、以後すべての出荷に効く先例を自ら作ることになります。
7. 自主的な開示
指摘される前の是正は立場を実質的に改善しえますが、反射的に選ぶものではありません。
有効な場合: 誤りが個別的・過去的で金額を特定できるとき。入力誤り、特定契約における加算漏れ、要件を満たさない貨物への優遇適用など。
不利になる場合: 根底の立場が争えるとき。開示はその立場を用いたすべての申告について認めることになり、現在対象外の申告も巻き込みます。
8. 証拠一式
弁護士が初日に必要とするもの:
- 調査通知と、これまでに受領したすべての連絡
- 対象期間の申告一覧(申告価格・分類を含む)
- 供給者との契約、発注書、申告の裏付けとなるインボイス
- 支払証憑(インボイス外の支払いを含む)
- 供給者または関係会社とのロイヤルティ、ライセンス、金型、費用分担の各契約
- 関連者取引がある場合の移転価格文書
- 特恵原産地の主張に係る裏付書類
- 通関業者との往復文書
- 立場を設定した際に依拠した事前教示・助言・先例
第9項は、最も存在しないことが多く、最も役に立ったはずのものです。
9. 再発を止める
上流を何も変えずに終わった調査は、また受ける調査です。結果を実際に変えるのは:
- 分類判断の責任者を一人にし、理由を書面で残す
- インボイス外の供給者支払いを定期的に洗い出す仕組み
- 移転価格と課税価格の整合。両者は別チームが別の論理で管理していることが多い
- 新製品は初回船積みの前に分類する、という運用ルール
- 遡及期間より長い輸入記録の保存
まとめ
| 段階 | 判断 |
|---|---|
| 通知受領 | 記録を凍結、申告母集団を把握、責任者を一人に |
| 資料要求 | 実質的な書面回答の前に助言を得る |
| 更正 | 目の前の一通ではなく申告全体で判断する |
| 異議・審査請求 | 実体面の勝算と、争訟中に積み上がる負担とを比較する |
| その後 | 上流の運用を直す。さもなければ同じ調査が再来する |
調査のコストは、当初の誤りよりも、最初の一か月の扱い方で決まります。
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本ガイドはスワンナワラ法律事務所(1986年設立・コンケン)が作成しました。一般的な情報であり、個別事案への法的助言ではありません。