大原則:事業がリストに掲載されていること
BOIは、投資額が大きい事業をすべて奨励するわけではありません。奨励するのは、奨励対象事業リストに名前が掲載された事業だけです。現在使われているリストは投資委員会告示第9/2565号で、方針と基準を定めた告示第8/2565号と併せて適用されます。両告示は、仏暦2566年(2023年)1月3日以降に提出された申請に適用されます。
リストは随時改正されます。仏暦2568年から2569年(2025年から2026年)にかけて、複数の告示が各事業の要件を改正しており、告示第4/2568号は、生産工程が先進的で十分な実質を備えていることを新たに求めています。そのため、申請の前には、数年前に公表された概要ではなく、必ず最新の告示で事業の要件を確認してください。
リストの10分野
| 分野 | 分野名 |
|---|---|
| 1 | 農業・食品・バイオテクノロジー産業 |
| 2 | 医療産業 |
| 3 | 機械・自動車産業 |
| 4 | 電気機器・電子産業 |
| 5 | 金属・素材産業 |
| 6 | 化学・石油化学産業 |
| 7 | 公益事業 |
| 8 | デジタル産業 |
| 9 | クリエイティブ産業 |
| 10 | 高付加価値サービス |
各分野は、特定の製品や特定のサービスといった細かな事業に分かれ、事業ごとに優遇グループと要件が定められています。そのため、同じ分野に属する2つの製造事業でも、受けられる優遇が大きく異なることがあります。
外国人投資家からよく質問される事業の例
| 事業 | 項 | グループ | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| ソフトウェア開発、デジタルプラットフォーム、デジタルコンテンツ | 8.1.1 | A2 | タイ国籍のIT人材の人件費が年間150万バーツ以上 |
| データセンター(Data Center) | 8.2.1 | 告示の定めによる | IT機器用の電力容量が2メガワット以上、かつISO/IEC 27001の認証を取得 |
| 国際統括本社(IBC) | 10.1.2 | B | 払込済み登録資本金が1,000万バーツ以上、熟練従業員が10人以上 |
| 国際調達オフィス(IPO) | 10.1.3 | B | 払込済み登録資本金が1,000万バーツ以上 |
| 研究開発 | 10.2 | A1 | 告示の定めによる |
| エンジニアリング設計 | 10.3 | A1 | タイ人従業員が70%以上 |
| 科学研究所(ラボラトリー) | 10.4 | A1 | 告示の定めによる |
| 標準校正センター | 10.5 | A1 | 告示の定めによる |
この表はリストからの例であり、全件ではありません。分野1から6の製造事業には多数の細目があり、優遇グループは製品によって異なります。外国人投資家の関心が高いデジタル事業とサービス事業は、ソフトウェア・デジタル事業・IBC向けBOIガイドで別に解説しています。
リストにない事業
事業がリストに掲載されていなければ、いくら投資しても奨励を申請できません。最も多いのは売買(仕入れて販売する)の場合です。現行のリストは貿易を単独の事業としては奨励しておらず、貿易が奨励されるのは、リストが開放している事業の一部である場合に限られます。例えばIBCは、関連会社への中核サービスと併せて貿易を行う必要があり、第8.1.1項のソフトウェア開発は、小売販売と卸売販売を対象範囲から除外しています。
リストに当てはまらない事業について、外国企業に残る道は、外国人事業許可、米国投資家向けの米タイ友好条約、または外国人事業法の別表に含まれない事業を行うことです。これらはタイで外国人が100%出資する方法のガイドで比較しています。
A1+からBの優遇グループ
| グループ | 法人所得税の免税 | 上限 |
|---|---|---|
| A1+ | 10年から13年 | 上限なし |
| A1 | 8年 | 上限なし |
| A2 | 8年 | 投資額の100%以下(土地と運転資金を除く) |
| A3 | 5年 | 投資額の100%以下 |
| A4 | 3年 | 投資額の100%以下 |
| B | なし | 機械関税の免除、および輸出用の生産に使う原材料の関税の1年間の免除 |
全グループが、投資奨励法に基づく非税制上の優遇を受けられます。具体的には、外国人の技能者・専門家とその配偶者および被扶養者の受け入れ(第25条)、承認された職位での就労許可(第26条)、事業のための土地所有(第27条)、外貨での国外送金(第37条)です。
所得税の免税期間は、奨励事業から収入が生じた日から数えます(第31条)。所得税が免除される事業からの配当は、税額の計算に含める必要がありません(第34条)。
プロジェクトの価値と立地による追加の優遇
告示第10/2565号は、国に利益をもたらす分野に投資または支出するプロジェクトに、所得税の免税を1年から5年追加します。対象は、研究開発、国内で開発された技術の使用料、設計、科学技術機関への支援、高度なスキルの研修またはインターン生の受け入れ、地元起業家の育成です。研究開発費が最初の3年間の売上高の1%以上、または2億バーツ以上のプロジェクトは、免税期間が合計で最長13年となり、上限もありません。
立地も影響します。奨励された工業団地または工業地区に立地するプロジェクトは所得税の免税が1年追加され、1人当たり所得の低い20県に立地するプロジェクトは3年追加されます。免税期間の合計は13年を超えてはなりません。
ほぼすべてのプロジェクトに適用される最低要件
- 最低投資額:土地と運転資金を除いて100万バーツ以上。ただし、事業の種類ごとに別段の定めがある場合は除きます。知識集約型の一部の事業では、代わりに年間の人件費を基準とします。
- 付加価値:収入の20%以上。農業・食品、電子・部品など一部の事業は例外で、10%を基準とします。
- 負債資本比率:新規プロジェクトでは3対1以下。
- 機械:新品の機械でなければなりません。使用年数が5年以内の海外の中古機械は、性能証明書があれば使用できます。使用年数が5年超10年以内の機械は使用できますが、免税の上限額には算入されず、中古機械は輸入関税の免除を受けられません。
- ISO 9000またはISO 14000の規格:投資額が1,000万バーツ以上のプロジェクトは、全面的な操業開始から2年以内に取得する必要があります。取得できなければ、免税期間が1年短縮されます。
- 事業化調査(フィージビリティスタディ)報告書:投資額が20億バーツを超えるプロジェクトに必要です。
外国人株主の持株比率
告示第8/2565号の第7項は、外国人事業法の別表一に掲げる事業について、タイ国籍者が株式の51%以上を保有することを求めています。別表一には、稲作、畑作・果樹園、畜産、タイ領海での漁業が含まれます。このため、分野1の農業事業の一部は、タイ人が過半数を持つ形で出資構造を組む必要があります。別表二と別表三の事業には、委員会が別段の定めをしない限り、外国人の持株比率の制限はありません。
一部の措置は、タイ人の中小企業のみを対象としています。例えば、最低投資額を500,000バーツに引き下げる中小企業向けの措置は、タイ国籍者が株式の51%以上を保有し、代表権を持つ取締役の過半数がタイ人であることを求めています。したがって、外国企業はこれらの措置を利用できません。
自社の事業がBOIを申請できるかの確認手順
- 会社が何を行うのかを明確に書き出します。何を生産し、またはどのようなサービスを誰に提供するのか、そしてどの工程をタイ国内で行うのかを整理します。
- 告示第9/2565号と最新の改正告示から、該当する事業を探します。
- その事業に固有の要件を確認します。例えば、最低投資額または人件費、必要な生産工程、操業開始の期限などです。
- 一般要件を確認します。付加価値、負債資本比率、機械、ISO規格です。
- 事業が外国人事業法の別表一に該当するかを確認し、取り得る持株比率を把握します。
- プロジェクトの価値と立地による追加の優遇を確認したうえで、プロジェクトの立地を決定します。
チェックリスト
- 選んだ事業が最新のリストに掲載されている。
- その事業の優遇グループと免税の上限額を把握している。
- 最低投資額または人件費が基準に達している。
- 付加価値、負債資本比率、機械が要件を満たしている。
- 外国人の持株比率が計画どおりに実現できる。
- 投資額が1,000万バーツ以上であれば、ISO規格の取得を計画している。
- 研究開発、研修、立地による追加の優遇を検討した。

