なぜBOIの会社は別のガイドを読む必要があるのか
一般的な就労許可のガイドは、必ず同じ計算式から始まります。払込済みの登録資本金がいくらで、外国人の就労許可1件につきタイ人従業員が何人いるか、というものです。この計算式は一般的なタイの有限会社には正しいのですが、投資奨励を受けた事業には当てはまりません。
その理由は、奨励を受けた事業のルートでは、外国人従業員の数を従業員比率で制限せず、プロジェクトで承認されたポジションで制限するからです。奨励を受けた会社がタイ人従業員の頭数を数えて、あと何人外国人を雇えるかを調べているなら、問う内容が間違っています。
このガイドは、すでに奨励証書を持っている、あるいは間もなく受け取る会社の人事担当者とプロジェクト・マネージャー向けに書かれています。奨励を受けていない会社は、代わりに人事部門向け就労許可の申請・延長ガイドをお読みください。また、工場が工業団地内にある場合は、運用が異なる別のルートがあり、工業団地内のビザと就労許可のガイドで説明しています。
免責事項:本書は計画のための一般的な情報であり、法的助言ではありません。各プロジェクトの条件、手続、特典は、事業の種類と所持している奨励証書によって異なります。手続を進める前に、貴社の奨励証書の条件をご確認ください。
通常のルートと異なる原則
次の3点で、違いのほとんどを説明できます。
1つ目:特典は会社ではなくプロジェクトに結び付く。 奨励証書は、記載された活動に対して発行されるもので、法人全体に対するものではありません。1つの会社に、奨励を受けた生産ラインと、受けていないラインがあることもあります。そのため外国人従業員はどちらの側かに分類する必要があり、分類を誤った場合の問題は、申請時ではなく調査時に表面化します。
2つ目:人よりも先にポジション。 順序は、まずプロジェクトにおける外国人の技能者または専門家の人数とポジションの承認を申請し、その後で承認されたポジションに個人を配置するというものです。通常のルートに慣れた会社は、順序を逆に考えがちです。人を先に探してから申請するため、その前に終えておくべきだったポジション承認の手続を待つことになります。
3つ目:問題は1人ずつではなく、まとめて起きる。 プロジェクトに完全には履行されていない条件や、提出されていない報告があると、影響は特定の従業員1人ではなく、そのプロジェクトに属する全員に同時に及びます。これは一般の会社と最も異なるリスクであり、プロジェクトの条件の遵守状況を、従業員の1人が更新するときではなく、定期的に確認すべき理由です。
ビザ・就労許可サービスセンターが実際に役立つ点
よくある誤解は、ワンストップのサービスセンターなら書類が少なくなると考えることです。実際には書類はそれほど減りません。得られるのは、2つの機関を別々に回らずに済むことと、入国管理の手続と就労許可の手続が、順番にではなく並行して進むことです。
サービスセンターが代わりに行わないのは、プロジェクトにおけるポジションの承認手続です。それはBOI側の業務であり、先に終えておく必要があります。承認されたポジションがないまま従業員をサービスセンターに連れていった会社は、差し戻されて最初の手続からやり直しになります。
したがって、実際の利点は、作業の順序をすでに正しく組んでいる会社のものであり、手続を飛ばす近道として使う会社には、時間の無駄になります。
奨励を受けた部分と受けていない部分の両方がある会社
これは最も複雑なケースであり、長年稼働している工場で最もよく見られます。
最初のプロジェクトが奨励を受けた後、会社が奨励を申請していない別の活動に拡大した場合や、既存の生産ラインに加えて他の顧客向けの受託生産を始めた場合です。そうなると、同じ会社の外国人従業員が、別々のルートに分かれることになります。
申請を行う前に明確にしておくべきこと
- 各従業員がどの活動に従事しているか。チーム内の了解ではなく、書面で
- 書類に記載されたポジションが、その活動と実際に一致しているか
- 両方の部分にまたがって働く従業員をどう分類し、何を根拠とするか
- 奨励を受けていない部分に、その部分の外国人従業員を支えるのに十分な登録資本金と従業員比率があるか
最後の項目は、会社が最も忘れやすい点です。奨励を受けたプロジェクトでは比率が不要であることに慣れてしまうと、奨励を受けていない部分では今でも必要であることを忘れてしまうからです。
SMART VisaとLTR:別のルートであり、より良い選択肢ではない
奨励を受けた会社からは、従業員にSMART Visaを使わせるべきかという質問がよくあります。答えは、会社よりも従業員本人によって決まります。
SMART Visaは、対象産業の専門家、経営幹部、投資家、スタートアップの起業家を対象としています。特徴は、保持者が認定された活動について別途就労許可を取る必要がないことと、居住報告の条件が緩やかなことです。ただし、申請者は資格の認定を受ける必要があり、これは独立した手続です。
LTRビザは、長期滞在者向けの別のルートで、高度な技能を持つ専門家のグループも含まれます。タイの法人で働くLTR保持者にも就労の許可は必要ですが、それはLTR制度独自の手続を通じて行われます。
実務上、中規模以上の奨励を受けた会社には、複数のルートの従業員が同時にいることがよくあります。難しいのはルートを選ぶことではなく、誰がどのルートにいるか、いつ何をしなければならないか、そして社内で誰がそのカレンダーを管理するかを把握することです。
奨励証書を受け取ったばかりの会社の作業手順
- 奨励証書の条件を最後まで読む。 特に外国人人員に関する部分と、条件を履行する期限を確認します。
- ポジションの承認を申請する。 プロジェクトが必要とする技能者または専門家の人数とポジションです。人材の募集を始める前に行います。
- ポジションに人を配置する。 学歴・経験の書類は、定められたとおり認証を受けたものを用意します。海外書類の認証手続には独自の時間がかかるため、できるだけ早く始めるべきです。
- ビザと就労許可を整合させて手続する。 会社が利用する権利のあるルートを通じて行います。
- 2層のカレンダーを作る。 1層目は従業員ごとの期限日。2層目はプロジェクトの条件による期限で、見逃すと全員に同時に影響が出る層です。
弁護士に依頼すべきとき
- 奨励を受けた活動と受けていない活動の両方があり、従業員の区分がまだ明確になっていない
- 組織再編、合併、または関連法人間での生産ラインの移転を予定している
- プロジェクトに完全には履行されていない条件があり、近いうちに更新が必要な従業員がいる
- 申請を拒否された、またはポジションの資格について説明を求められたことがある
- 社内の1人に頼るのではなく、人事部門が継続して運用できる仕組みを作りたい
会社側の業務範囲は、雇用主向けビザ・就労許可サービスをご覧ください。また、最初から投資の構造を検討している場合は、タイにおける外国人投資家ガイドもあわせてお読みください。
貴社のどの従業員にどのルートを使うべきか評価をご希望の方は、092-254-2045 までお電話ください

