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ビジネス法務

顧問契約の成果をどう測るか:訴訟のない月に得られるものと、経営層向け法務レポートの例

裁判に至る案件がない月に、オーナー・社長・CFOが月額顧問弁護士をどう評価するか。追うべき価値の証拠、事前に合意すべき指標、1ページのレポート様式を解説します。

スワンワラ法律事務所— ビジネス法務チーム2026年10月21日9 min read
顧問契約の成果をどう測るか:訴訟のない月に得られるものと、経営層向け法務レポートの例

主な回答

「今月は訴訟がない」は、顧問契約が生み出すよう設計された結果であり、何もしなかった証拠ではありません。評価の方法は、裁判所を見るのをやめ、顧問が何を見つけ、答え、送り、追跡したかという月次の記録を見ることです。

ルール(法律・機関)。 法律顧問の成果をどう測り、どう報告すべきかを定めたタイの法律はありません。したがって指標は、貴社と事務所が合意する契約条件になります。ただし、レポートで追うべき期限には法律が関わります。たとえば、相手方の不履行を理由に契約を解除しようとする当事者は、通常、まず相当の期間を定めて履行を催告する必要があります(民商法典第387条)。また、退職金を支払わずに解雇する使用者は、解雇通知に理由を記載するか、解雇時に従業員へ理由を伝えなければならず、さもなければ後からその理由を主張できません(労働者保護法第119条の最終項)。

当事務所の実務上の見解。 最初に三つを合意してください。何を測るか、月次レポートはどのような形か、貴社側の受け取り手は誰か、です。そのうえで実際に読んでください。自分の1か月を1ページで説明できない顧問は、更新時に、顧客側にとっても事務所側にとっても擁護しづらくなります。

本ガイドは最初の1か月に期待すべきことの続きにあたり、その内容は企業の顧問弁護士の選び方で扱っています。ここでは2か月目以降から始めます。

1. なぜ「今月は訴訟がない」が正しい結果なのか

顧問料が買うのは、事実が固まる前の助言です。弁護士が署名前に契約を読めば、その後に起こり得た紛争は始まりません。催告書で支払いが得られれば、提起すべき請求はありません。従業員への警告書が正しく書かれていれば、労働事件にはなりません。

問題は、同じ静けさが、効果のあった仕事の結果にも、単なる幸運にも見えることです。解決策は約束ではなく記録です。事務所に作業ログを残してもらい、そのログがなければ何が変わったか分かるかを自問してください。

起こらなかった損害を金額にすることは誰にもできず、当事務所にもできません。それができると主張するレポートには慎重になってください。

2. 何が価値の証拠になるのか

数えられるもの、または自社のファイルで示せるものを使います。

証拠見るものなぜ重要か
確認した契約受領件数、状況(署名済み・保留・修正のため返却)、所要時間確認の窓口が使われ、かつ滞留していないことを示す
発見したリスク条項署名前に修正した条項と一行の理由確認が承認だけでなく内容を変えたことを示す
催告書送付済み、回答あり、支払いまたは和解、未了回収の手順が支払いや合意で終わったかを示す
悪化前に対応した人事案件警告、就業規則の質問、実施前に確認した解雇選択肢が残るうちに人事問題が処理されたことを示す
守られた期限更新、通知期間、許可証の期限、書簡への回答誰も気づかないまま失効したものがないことを示す
回答した質問部門別件数、最初の回答までの時間顧問が意思決定に使われていることを示す
改善した書類教訓を受けて修正したひな形同じ問題を二度直さずに済むことを示す

どれか一行を総合点として扱わないでください。契約が少ない月は良い月かもしれません。質問が多い月は、問題があるのではなく事業が伸びているのかもしれません。

3. 事前に合意すべき指標は何か

顧問契約または別紙に書き、数字は自社のものを使います。ここで目標値を示さないのは、法律が定めておらず、適切な水準は事業によって異なるためです。

  • 応答時間:通常依頼と緊急依頼について、合意した窓口からの依頼を起点とする。
  • 書類の種類ごとの所要日数:たとえば標準的なNDAと個別に起案する供給契約。
  • 常に最新の契約台帳:相手方、件名、開始日・終了日、更新および解約の通知期間、担当者。
  • 月次レポート:合意した日までに、指名した担当者へ届ける。
  • 四半期レビュー:上記を見直し、目標を変更する権利を持つ。
  • 顧問契約の範囲外の事項:目標未達のときに範囲で争わないため。訴訟は別途、作業開始前に見積もります。

記録から確認できない指標は削ってください。

4. 経営層向け法務レポートの例はどのようなものか

以下は仮想の様式です。すべての記載は形式を示すための創作であり、実在の顧客のものではありません。実際に使う版は1ページに収め、詳細は別紙にします。

月次法務レポート —— [会社名]
対象期間:[年 月]        宛先:[氏名、役職]

1. 今月受け付けた案件(種類別)
   契約:[n]   人事:[n]   債権回収:[n]
   規制・許認可:[n]   その他の質問:[n]

2. 確認した契約
   | 相手方     | 種類   | 状況             | 主な修正点              |
   | 顧客 A     | 販売   | 署名済み         | 責任条項を限定          |
   | 仕入先 B   | 供給   | 先方の回答待ち   | 支払条件を照会          |
   | 顧客 C     | 役務   | 当方へ返却       | 会社の判断待ち          |

3. 未了案件
   | 案件              | 次の手順           | 担当(会社/事務所) | 期限    |
   | 延滞請求書 D      | 二通目の催告書     | 事務所              | [日付]  |
   | 従業員への警告 E  | 会社が事実を確認   | 会社の人事          | [日付]  |

4. 今後の期限(60〜90日先)
   - 契約更新と通知期間:[台帳からの一覧]
   - 許認可・登録の更新:[一覧]
   - 回答すべき書簡・当局からの連絡:[一覧]
   - 注意すべき時効日:[案件、日付は事務所が確認]

5. 経営層の判断が必要な事項
   - [事項、選択肢を各一行、事務所の推奨、回答が必要な日]

6. 前月から変化したリスク
   - 上昇:[項目、理由]   低下:[項目、理由]   新規:[項目]

7. 教訓とひな形の修正
   - [学んだこと、修正したひな形または就業規則]

別紙(任意):台帳全体、往復書簡の一覧、案件メモ

レポートを役立てる習慣が三つあります。期限が近いなら、判断が必要な事項を上のほうに置くこと。未了の項目すべてに、貴社側か事務所側かを問わず担当者を付けること。書類不足のために事務所が評価できなかった点を明記し、空白が見えるようにすることです。

時効日は請求権の種類によって異なるため、事務所が案件ごとに確認すべきです。ここでは一般的な基準を示しません。

5. 会社の規模に応じてどう整えるか

小規模な会社(オーナーと担当者1名)。 依頼をすべて送る担当者を1名決めます。共有フォルダに台帳と月次レポートを置きます。毎月1ページのレポートを読みます。四半期ごとの確認で足ります。

中規模の会社。 人事・経理・購買が同じ窓口から提出するようにします。そうすれば事務所は全体像を把握でき、担当者は誰が何を尋ねたか分かります。台帳を最新に保ち、月次レポートを受け取り、目標を実績と照らす四半期レビューを開きます。

グループ企業または外資系企業。 法人ごとに台帳を持ちます。本社向けに、何が変わったか、何が未了か、何が間もなく期限か、何を判断すべきかを記した短い二言語の要約を加えます。上申の基準は書面で合意します。たとえば、どの紛争や当局からの連絡を当日中に本社へ報告するかです。本社側についてはタイ法務チームなしで海外からタイ子会社を運営する方法をご覧ください。タイの書類はタイ語のままなので、要約は書類を置き換えるのではなく指し示します。

6. レポートが薄い、または遅れる場合はどうするか

更新時ではなく、最初の四半期レビューで取り上げてください。まず貴社側が情報を渡しているか確認します。窓口を通さない依頼や未提供の書類は、レポートが薄く見える一般的な原因です。そのうえで、事務所に日付入りの書面の計画を求めます。

レポートが定期的に出ているのに内容が少ない場合は、何を確認し、何を確認しなかったかを尋ねてください。案件が少ないこと自体は落ち度ではありません。何を見たのか説明できない顧問のほうが問題です。

7. チェックリスト

  1. 貴社側の担当者を1名、事務所側の責任者を1名決める。
  2. 依頼の窓口を一つ決め、自社で応答時間の目安を合意する。
  3. 書類の種類ごとの所要日数を合意して書き残す。
  4. 契約台帳を作り、最新に保つ。
  5. 1ページの月次レポートの様式と提出日を合意する。
  6. 未了案件のすべてに担当者と日付を付ける。
  7. 四半期ごとに見直し、目標の変更は書面でのみ行う。
  8. 顧問契約の範囲外を確認し、後で範囲を争わないようにする。

関連ガイド

顧問弁護士は、案件が裁判に至ったかどうかではなく、確認し、答え、送り、追跡したことの月次の記録で評価してください。

当事務所は、担当弁護士を指名する月額の顧問サービスを提供しています。業務範囲と毎月の業務量は事前に合意し、契約書の確認、日常的な相談、催告書、裁判前の紛争解決を対象とします。訴訟は別途、作業開始前に見積もります。初回相談をご希望の方は、お電話 +66 92 254 2045 または詳細をお送りください。詳しくは企業向け顧問弁護士、契約書および各種書類、会社秘書業務をご覧ください。


本ガイドはスワンワラ法律事務所(コンケン県の法律事務所、1986年設立)が発行したものです。一般的な情報であり、特定の事項に関する法的助言ではありません。

Frequently asked questions

訴訟のない月は、顧問料が無駄だったということですか?+

いいえ。顧問の仕事の大半は、裁判所が関わる前に終わります。署名前の契約修正、判断前の質問への回答、書簡による紛争解決などです。裁判が静かなことは意図した結果ですが、その月に何を処理したかの記録がなければ、予防の成果なのか運なのか区別できません。

法律顧問に毎月何を報告してもらうべきですか?+

種類別の受付案件、確認した契約とその状況、次の手順と担当者付きの未了案件、今後の期限、経営層が決めるべき事項、リスクの変化を求めるとよいでしょう。通常は1ページで足り、詳細は別紙にします。この報告の様式は法律で定められていないため、書面で合意してください。

応答時間や確認所要日数に数値目標を設けられますか?+

可能ですが、それは当事者間で合意する契約条件であり、法定の基準ではありません。顧問弁護士の応答時間を定めたタイの法律はありません。通常依頼と緊急依頼、書類の種類ごとの目安を自社で合意し、四半期後に実績と照らして見直してください。

起こらなかった損害はどう測るのですか?+

直接は測れないため、測れると主張する単一の数字は受け入れないでください。数えられるものを追跡します。署名前に修正された契約、削除されたリスク条項、裁判前に解決した案件、守られた期限、質問が回答を待った時間などです。損失が生じなくても、これらで仕事が見えます。

外国の親会社は何を確認する必要がありますか?+

タイの法人ごとに、何が変わったか、何が未了か、何が間もなく期限か、本社が何を決めるべきかを記した短い二言語の要約です。タイの書類はタイ語のままなので、要約は書類を置き換えるのではなく指し示します。どの事項をただちに本社へ上げるかは、事前に合意しておいてください。

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