ある従業員が月に何度も病気休暇を取る。別の従業員は誰にも告げずに2日間姿を消す。さらに別の従業員は携帯電話の電源を切り、連絡がつかない。人事担当者はよく「何日になれば解雇できますか」と尋ねます。しかし数字だけでは答えが出ません。法律は適法な休暇と正当な理由のない職務放棄を区別しており、労働裁判所は使用者が事前に事実を確認したかを見るからです。
本ガイドが扱うのは、病気休暇、欠勤、連絡不能の場合に解雇を決める前の段階だけです。解雇後の従業員の権利は解雇されたらどうするかを、目標未達の場合はPIPのガイドを、すでに訴訟になった場合は労働裁判所での防御のガイドをご覧ください。
結論
日数を数えて解雇してはいけません。まず5点を確認します。従業員に理由があったか、連絡があったか、連絡がつく状態だったか、就業規則は何と定めているか、使用者が規則を等しく運用してきたか。そのうえで、警告、3日間の職務放棄を理由とする解雇、または第119条の事由がなければ通常どおり退職金を支払う、のいずれかを選びます。
法的根拠 労働者保護法 B.E. 2541 の第32条は、従業員に実際の病気の範囲で病気休暇を取る権利を与えています。3営業日以上の休暇では使用者は診断書を求めることができ、従業員が提出できないときは使用者にその旨を説明しなければなりません。第57条は、年30営業日までの病気休暇中の賃金支払を使用者に求めています。第108条は、従業員10人以上の使用者にタイ語の就業規則の作成を求めており、休暇の連絡方法もそこに定めるべきです。第118条は解雇時の退職金を定め、第119条は退職金が不要となる事由を列挙しています。その中に、(4) 適法かつ公正な就業規則や命令への違反で、書面による警告を経たもの(警告は違反の日から1年間有効、警告不要の重大な場合を除く)、(5) 正当な理由なく3営業日連続で職務を放棄した場合、があります。解雇が不当だと従業員が考える場合、労働裁判所は労働裁判所設置法および労働事件手続法(B.E. 2522)第49条に基づき、復職または補償を命じることがあります。
当事務所の実務上の見方 この種の事件で使用者が負けるのは、法律が従業員に有利だからではなく、理由を尋ねた、警告を出した、連絡を試みたという証拠を示せないからです。安全な順序は、本人と話し、事実を記録し、そのうえで措置を選ぶことです。第119条が適用されるか疑わしいときは、証明できるまで適用されないものとして扱い、利息のリスクを避けるため退職金を支払ってください。
以下では次の仮想事例を使います。コンケンの小さな包装工場でライン作業をする「ナパ」さん。3営業日連続で欠勤しました。初日に上司へ LINE で「体調が悪い」と送りましたが診断書はなく、2日目と3日目は電話に出ませんでした。人事担当の「スラチャイ」さんは「3日を超える欠勤」を理由に退職金なしで解雇したいと考えています。
1. 病気休暇が多い場合:問題とする前の確認事項
真に病気による休暇は、回数にかかわらず第32条の権利です。次の3点を分けて考えます。
- 実際に病気だったか。 診断書は重要な証拠ですが、第32条で使用者が求められるのは3営業日以上の休暇の場合に限られます。それより短い休暇では、就業規則が他の証拠を求めることはできますが、全員に等しく適用する必要があります。
- 連絡は正しく行われたか。 第108条の規則に、誰に、どの手段で、勤務開始のどれだけ前に連絡するかを定めておくべきです。定めがなければ、従業員が誤った方法をとったと主張するのは困難です。
- 休暇中の賃金。 第57条は年30営業日までの支払を求めています。それを超える日は支払義務がありませんが、解雇してよいという意味ではありません。業務上の病気や負傷は別の補償制度があるため、通常の病気休暇として数える前に確認してください。
休暇が真正で、規則どおりに裏付けられているなら、「病気休暇が多い」ことは第119条の事由ではありません。第118条の退職金を支払う必要があり、特に慢性疾患や継続的な治療がある場合、第49条のもとで裁判所が不当解雇と判断するリスクがあります。
病気が本当か疑う場合は、まず第32条に基づいて確認し、診断書を求めてください。従業員の私的なSNSを見張ったり行動を追跡したりして調べてはいけません。個人情報保護法などに違反するおそれがあります。診断書自体に本当に疑義がある場合は、必要な範囲で、本人の同意を得て、発行した医療機関に公然と問い合わせます。
2. 3日間の欠勤:第119条第5号はいつ適用されるか
第119条第5号は、3営業日連続の欠勤と正当な理由がないことの両方がそろったときに適用されます。重要なのは後者です。
- 従業員が実際に病気だった、あるいは入院や家族の行事など信じるに足る緊急事態があった場合、欠勤には理由があり、連絡が遅れても考慮しなければなりません。
- 不完全でも従業員が連絡していれば、使用者が職務放棄と扱うのは難しくなります。
- 日数はその従業員自身のシフトに基づく営業日で数え、各日の欠勤の証拠が必要です。
事例では、スラチャイさんは3日を数えられますが、ナパさんは初日に体調不良をLINEで伝えているため、正当な理由がなかったと結論してはいけません。まず規則が何を求めているか、LINEが有効な連絡に当たるか、ほかに理由があったかを確認します。後日診断書を持って出勤した場合は、第119条第5号に依拠する前に第32条のもとで検討します。
第119条第5号が使えないからといって、従業員が好き勝手にしてよいわけではありません。休暇連絡の規則違反について、第119条第4号に基づく書面警告を出せます。これは規則が適法かつ公正で、警告が書面であり、違反の日から1年間有効である場合に限って機能します。その1年の間に再び違反があれば、退職金なしの解雇が正当化されうる場合があります。調査中の措置については、懲戒調査中の停職と賃金のガイドをご覧ください。
3. 日数を数えるだけでは足りない理由
労働裁判所は使用者に対し、順に次のことを問います。
| 問い | 問われる理由 |
|---|---|
| 従業員に理由があったか | 第119条第5号は「正当な理由がない」ことを要求する |
| 従業員は連絡した、または連絡しようとしたか | 意図的な放棄か、連絡が不完全だっただけかを示す |
| 従業員と連絡がつく状態だったか | 使用者が一度も連絡しなければ、理由がなかったとは言いにくい |
| 就業規則は何と定めているか | 第108条。規則がない、または従業員が知らなければ重みは小さい |
| 規則は等しく運用されてきたか | 他の欠勤者が解雇されていなければ、この従業員だけを選ぶと別の動機に見える |
| 解雇は直後か、数か月後か | 長い放置は使用者が状況を受け入れたと読まれうる |
最も良いのは、明確に書かれ、従業員に周知され、毎回適用される規則です。上記の各回答は、規則、署名付きの確認書、通話記録、他者への警告書などの書類で裏付けてください。立証責任と裁判所が通常求める書類については、労働裁判所での防御のガイドをご覧ください。
4. 連絡がつかない従業員:証拠の作り方
従業員が姿を消しても、辞めたと決めつけてはいけません。順に進めます。
- 欠勤初日に連絡する。 電話、メッセージ、入社時に従業員が届け出た緊急連絡先。
- 試みをすべて記録する。 誰が、いつ、どの手段で、結果はどうだったか。
- 説明を求める書面を送る。 人事記録の住所へ書留郵便(配達証明つき)で送り、写しをメールまたはLINEで送ります。欠勤日を明記し、合理的な期限までに説明と裏付け資料を求めます。
- 期限まで待ち、結果を記録する。 説明が届いたら誠実に検討します。
- そのうえで措置を選ぶ。 警告、第119条第5号による解雇、または退職金を支払っての解雇。
連絡記録の例(自社に合わせて調整してください):
連絡記録:欠勤中の従業員
従業員:____ 役職:____ 上長:____
欠勤した営業日:____ / ____ / ____(連続 ____ 営業日)
No. | 日時 | 連絡者 | 手段 | 結果
1 | ____ | ____ | 電話 | 応答なし/電源オフ/応答し ____ と述べた
2 | ____ | ____ | LINEメッセージ | 既読/未読/返信 ____
3 | ____ | ____ | 緊急連絡先(____) | ____
4 | ____ | ____ | 書留郵便 番号 ____ 人事記録の住所宛 | 配達済み/返送
関連する就業規則:____(従業員が ____ に確認署名)
従業員が述べた理由(あれば):____
記録者:____ 日付:____
書面は従業員が届け出た住所に送り、推測した住所に送ってはいけません。返送された場合は封筒を証拠として保管します。行方不明の従業員について、社内のグループチャットやSNSに投稿してはいけません。個人情報の規則に違反するおそれがあり、不必要な晒し行為にもなります。
従業員が引き継ぎをせず退職するという形で事実上去った場合は、従業員が引き継ぎなしで退職した場合のガイドをご覧ください。圧力のもとで退職届に署名したと従業員が主張する場合は、強要された退職のガイドをご覧ください。
5. 健康情報:記録と利用の方法
診断書、検査結果、病気について従業員が述べた内容は健康情報であり、個人情報保護法 B.E. 2562 第26条の機微な個人情報です。使用者は労働法の遵守に必要であると言える場合が多いものの、必要性の原則を守るべきです。
- 休暇を承認し、後で証明するために必要なもの(休暇の日付、診断書の写し)だけを保管します。治療の詳細は不要です。
- 閲覧を人事と休暇の承認者に限ります。
- 上長は、従業員の病名を同僚に話してはいけません。
- 診断書の画像をグループチャットに投稿してはいけません。
- 保存期間を定め、不要になったら破棄します。
適法根拠や従業員向けのプライバシー通知については、人事向けPDPAガイドをご覧ください。
6. 第119条が適用されない場合:退職金と不当解雇のリスク
第119条の事由がないのに使用者が解雇すれば、次を支払う必要があります。
- 勤続期間に応じた第118条の退職金
- 第17条の予告、または第17/1条の予告手当
- 未払賃金と未消化の年次有給休暇などの権利。支払が遅れると第9条の利息が生じる場合があります。
従業員は、労働裁判所設置法および労働事件手続法(B.E. 2522)第49条に基づき、不当解雇として提訴することもできます。裁判所は、解雇の理由が双方にとって公正だったかを検討します。業務への影響を評価せず、代替策も探さずに、本当に病気だった人を解雇することは、裁判所が厳しく見るおそれのある類型です。結果は個々の事実によって異なり、結果をお約束することはできません。
休暇の多さが実際に事業に影響しているなら、法律が支持しない事由を持ち出すのではなく、業務の代替、適切な場合の役割調整、退職金つきの合意終了について本人と話し合ってください。
7. 一覧表:状況、確認事項、主なリスク
| 状況 | 確認事項 | 主なリスク |
|---|---|---|
| 短い病気休暇が頻繁で、診断書は時々だけ | 真正な病気か、規則に沿った連絡か、第57条の日数 | 適法な休暇を理由に解雇し、退職金支払義務と不当解雇リスクが生じる |
| 年間30営業日を超える病気休暇 | 診断書、病気の種類、業務上かどうか | 超過分は賃金不要でも、退職金なしの解雇は認められない |
| 3日以上の病気休暇で診断書なし | 第32条による診断書の要求、従業員の説明の有無 | 説明を検討せずに退けてしまう |
| 3営業日連続の欠勤で、連絡なし、電話に出ない | 連絡記録、人事記録の住所宛の書面、従業員の述べる理由 | 正当な理由がなかった証拠なしに第119条第5号に依拠する |
| 誤った手段での連絡(電話ではなくLINEなど) | 第108条の規則に定めがあるか、従業員は知っていたか | 不明確または周知されていない規則は警告の根拠にならない |
| 2日の欠勤を繰り返す | 過去の警告(有効期間1年)、業務への影響 | 警告がなく第119条第4号が使えない |
| 就業規則がない、または運用されていない | 第108条に基づいて作成し全員に周知する | 運用の根拠がなく、不平等な扱いと判断される |
| 後日の診断書を持って出勤 | 診断書、その日付、連絡しなかった理由の確認 | 本当に病気だった人を解雇する |
| 病気の詳細をグループチャットや共有ファイルに保管 | 誰が閲覧できるか、保存期間 | PDPA第26条違反 |
解雇を決める前のチェックリスト
事実
- その従業員自身のシフトに照らして欠勤日数を数え、各日の証拠を揃える
- 従業員に理由を尋ね、回答を記録する
- 従業員がいずれかの手段で連絡した、または連絡しようとしたかを確認する
- 第32条と第57条に基づき、診断書と休暇日を確認する
書類
- 第108条の就業規則に休暇連絡の定めがあり、従業員が確認署名している
- 連絡記録と、人事記録の住所宛の書面がある
- 過去の警告を確認し、1年を超えるものがないことを確かめる
- 同じ規則を他の従業員にも適用してきたかを確認する
選択肢と判断
- 第119条第4号または第5号が本当に適用されるか判断し、不明なら退職金を支払うものとして扱う
- 退職金(第118条)と予告手当(第17/1条)を計算する
- 書面を送る前に弁護士に確認させる(人事が弁護士の確認を受けるべきときをご覧ください)
個人情報
- 健康情報は必要な範囲にとどめ、閲覧を制限し、同僚に開示しない
関連ガイド
- 解雇されたらどうするか — 従業員が請求できる内容と時効
- 業績改善計画(PIP) — 問題が欠勤ではなく成績の場合
- 従業員が引き継ぎなしで退職した場合 — 退職の形で従業員が去った場合
- 労働裁判所での防御 — 裁判所が通常求める書類と対応
- 人事におけるPDPA — 健康情報と従業員記録の扱い
- 懲戒調査中の停職 — 事実を確認している間の措置
- 人事が弁護士の確認を受けるべきとき — 書面を送る前の判断ポイント
病気休暇や欠勤を理由に解雇する前に、理由、連絡、連絡の試み、就業規則、運用の一貫性を確認し、そのうえで措置を選んでください。日数を数えてすぐに解雇してはいけません。
当事務所は、解雇前の事実と書類の確認、就業規則や警告書の雛形の作成、欠勤中の従業員に関する連絡記録の整備をお手伝いしています。初回相談をご希望の方は、+66 92 254 2045 までお電話いただくか、詳細をお送りください。あわせて人事書類もご覧ください。
本ガイドはスワンワラ法律事務所(コンケン県の法律事務所、1986年設立)が発行したものです。一般的な情報であり、特定の事項に関する法的助言ではありません。

