ある工場が、見積書に1時間あたり1,200個と記載された包装機を購入しました。設置後の実際の能力は約800個で、不良が多く、1日に何度も勝手に停止します。売主の技術者は3回調整したうえで、原因は工場が使っているフィルムと、習熟していないオペレーターだと言います。一方で、売主はすでに最終回の請求書を送ってきています。会社は、修理を求められるのか、返金を求められるのか、残りの分割金の支払を止められるのかを知りたい状況です。
本ガイドは機械を購入した会社向けに書かれており、こうした紛争の帰趨を左右しやすい点、すなわち保証された数値、試験条件、技術的証拠に絞って解説します。一般的な契約審査のチェックリストは繰り返しません。まだ発注しておらず、先に契約条項を固めたい方は新工場のための機械の輸入を、売主側の方は商品販売とアフターサービスをご覧ください。
結論
次の3つを順に行います。第一に、売主が実際にどの数値を保証したのか、そしてそれがどのような条件で測定されるのかを突き止めます。第二に、その条件で試験を行い、生データを共同で記録し、数値を付けた瑕疵通知を送って、差を証明します。第三に、均衡のとれた救済を選びます。すなわち、修理、残りの分割金の全部または一部の留保、代金の減額、または相当の期間内に直せない場合の解除です。
法的根拠: 民商法典第472条は、目的物に瑕疵があり、通常の用途または契約で意図された用途への適合性が損なわれる場合、売主がその瑕疵を知らなくても責任を負うと定めます。第473条には例外があり、たとえば引渡し時に明白であった瑕疵を買主が異議なく受領した場合がそうです。第488条は、瑕疵を発見した買主が、売主が相当の担保を提供しない限り、未払代金を留保できると定めます。第474条は、瑕疵を発見してから1年を過ぎると訴えられないと定めます。第483条と第485条は、合意による責任免除を認めますが、売主自身の行為や、売主が知りながら隠した事実には免除が及びません。買主の要求に合わせた設計・製造・設置の契約は請負契約にあたる可能性があり、その場合は第598条から第601条が適用され、定めが異なります。
1. 売主が保証する数値は何で、どのような条件で測定されるのか
機械をめぐる紛争の多くは、双方が別々の数値を拠り所にすることから始まります。他の論点を争う前に、書類を並べて、数値を2種類に分けてください。
- カタログやパンフレットの数値は、「最大」「最高」などと書かれ、メーカーが選んだ条件で測定されていることが多く、必ずしも保証ではありません。
- 契約または技術付属書に記載された保証数値とは、たとえば1時間あたりの処理能力(スループット)、不良率、寸法公差、エネルギー消費量、稼働率(アップタイム)などです。
次に、各数値に結び付いた測定条件を確認します。売主はこの条件を抗弁に使うことが多いためです。
| 条件 | 書類で確認すること |
|---|---|
| 原材料 | 試験に使った種類、仕様、厚さ、水分、またはブランド |
| ユーティリティ | 電圧、エア圧力、蒸気、冷却水 |
| 環境 | 温度、湿度、粉塵 |
| 製品 | 測定に使った製品のサイズや型式(型式ごとに処理速度が異なるため) |
| 測定方法 | 試験時間、ウォームアップ時間、不良の数え方、測定機器 |
| オペレーター | 試験中に機械を運転する者、売主が行うべき教育の日数 |
契約に数値が明記されていなくても、第472条の「契約で意図された用途」を主張できる場合があります。ただし、売主が、会社がどの製品を、どの原材料で、どれだけの量作るために購入するのかを知っていたことを証明できる必要があります。有効な証拠は、見積りの前に製品や原材料のサンプルを売主に送ったメールやチャット、そして生産能力が記載された見積書です。見積書と注文書の内容が食い違う場合は、見積書と注文書の条件が食い違う場合をご覧ください。
2. 工場での受入試験(FAT)と設置後の試験(SAT)はどう違うのか
- FAT(Factory Acceptance Test:工場受入試験)は、出荷前にメーカーの工場で行われ、通常は試験用の材料とメーカー自身の技術者が使われます。FATに合格したということは、その環境で機械が動くということであり、御社の工場で性能が出ることを意味しません。
- SAT(Site Acceptance Test:現地受入試験)または試運転(コミッショニング)は、設置後に買主の工場で、実際の原材料、ユーティリティ、オペレーターを使って行われます。買主にとっては、通常これが最も重要な試験です。
契約で次の点を確認してください。
- どの試験がどの分割金の支払条件になっているか、また試験証明書にはだれの署名が必要か
- 試験を連続してどれだけの時間、何回行うか、不合格の場合に売主が修理して再試験できる回数
- 再試験をすべて行っても不合格だった場合に契約がどうなると定めているか(代金の減額、不足分に応じた違約金、機械の受領拒否権など)
- 設置後試験の手順がまったくない契約であれば、試験を始める前に、共同でどのように試験するかを書面で提案すること
自社だけで試験して結果を売主に送りつけるのは避けてください。 可能であれば、売主の立会いを求め、測定方法を事前に書面で合意し、双方が結果記録に署名します。売主が来なかった場合は、招待したが出席しなかったことを記録し、通知した方法で試験を行います。
3. 機械の受領書に署名すると、仕様どおりに動くことを受け入れたことになるのか
多くの場合、ならないと考えられます。トラックが到着したときに署名する受領書や納品書は、通常、物品が数量どおり届き、外観に問題がないことを確認するにとどまります。性能は、設置して運転するまで証明できないからです。ただし、注意点があります。
- 署名する書面の文言。 「物品を全数受領した」と、「契約のあらゆる点で仕事を検査し承認した」とは大きく異なります。署名の前に必ず読んでください。
- 引渡し時に見える瑕疵。 第473条(2)は、瑕疵が引渡し時に明白であり、買主が異議なく受領した場合に、売主を免責します。たとえば、本体のへこみや部品の欠損です。直ちに写真を撮り、受領書に注記を書いてください。請負契約にも、第598条に同様の規定があります。
- 毎回、留保を書くこと。 たとえば「物品の引渡しとしてのみ受領。性能の検収ではない。契約に基づく試験待ち」と書きます。
- ラインを稼働させる必要があって署名した試験証明書。 どうしても署名しなければならない場合は、未了項目リスト(パンチリスト)と未達の数値を同じ書面に添付してください。
- 紛争中に機械を実際に生産で使うこと。 売主は、使用は受入れだと主張するかもしれません。損害を軽減するために権利を放棄せずに使用している旨を書面で通知してください。
顧客が検収書に署名しない請負人側については、相手がどう反論するかを知る参考として、顧客が検収書に署名しない場合をご覧ください。
4. 機械が仕様に達していないことを証明するために、どの技術的証拠を保管すべきか
| 証拠 | 何を証明するか | ヒント |
|---|---|---|
| 事前に合意した試験方法 | 双方が受け入れた基準 | 書面、または売主が返信したメールにする |
| 共同署名した試験報告書 | 保証数値に対する実際の数値 | 合否だけでなく、全期間の生データを記録する |
| 機械の制御システム(PLC/HMI)のデータ | 生産数、不良、停止時間(ダウンタイム)、エラーコード | データが上書きされる前に、定期的にファイルをエクスポートする |
| 動画 | 異常な挙動と機械のサイクル | カウンターまたは画面と時刻が映るよう連続して撮影する |
| 原材料の証明書とロット番号 | 原材料が試験条件に合っていたこと | 試験に使ったロットのサンプルも保管する |
| 電気とエアの実測値 | ユーティリティが売主の指定どおりだったこと | 試験当日に測定し、写真とともに記録する |
| オペレーター教育の記録 | 売主が契約どおりの教育を完了したこと | 署名簿、題目、日数 |
| 売主の技術者の報告書 | 売主が何回対応し、何を交換し、何を調整したか | 毎回写しを求め、対応の前後で機械の設定値を記録する |
| 不良品 | 不具合の性質 | サンプルを保管し、日付、ロット、試験回を記したラベルを付ける |
| 独立した専門家の報告書 | いずれの当事者にも属さない意見 | 可能なら双方で専門家を選ぶことに合意する |
| 売主とのメールやチャット | 売主が途中で何を知り、何を約束したか | 日時付きでエクスポートし、スクリーンショットだけにしない |
証拠の責任者を1人決め、各ファイルが何で、どこから来て、どこに保管されているかの台帳を作ってください。また、売主の技術者が、記録なしに部品を外したりプログラムを変更したりしないようにしてください。
5. 瑕疵はどのように通知し、どの期限に注意すべきか
問題を発見したら速やかに瑕疵通知を送ります。少なくとも次の内容を含めてください。
- 測定値と保証数値の対比(試験報告書を引用)
- 症状と生産への影響
- 具体的な日付を示した、相当の期間内の是正の要求
- 代金の留保、損害賠償の請求、契約解除の権利の留保
初日から記録しておくべき期限は次のとおりです。
- 売買契約。 第474条により、瑕疵を発見してから1年を過ぎると訴えられません。
- 請負契約。 第600条は、請負人の責任を、引渡しから1年以内に現れた瑕疵に限っています。ただし、契約に別段の定めがある場合や、請負人が瑕疵を隠した場合は除きます。第601条は、瑕疵が現れてから1年を過ぎると訴えられないと定めます。
- 契約上の保証。 通知までの日数や売主の回答までの日数を定めていることが多いです。その手順に完全に従ってください。
設計、製造、設置を併せた機械の契約は、内容によって売買とも請負とも見られ得ます。どの期限が適用されるかを確認するため、最初から弁護士に見てもらうことをお勧めします。
また、求められたとおり売主に修理に来させてください。売主の現場立入りを拒むと、買主が是正の機会を与えなかったという抗弁を招くおそれがあります。
6. 修理、返金、残りの分割金の支払停止を求められるか
- 修理または部品交換は、ほとんどの保証条項で最初のステップです。修理計画と再試験日を書面で定めてください。
- 残りの分割金の留保。 第488条は、瑕疵を発見した買主が、未払代金の全部または一部を留保できると定めます。請負契約では、第599条が、注文者に同様に報酬を留保する権利を与えています。どちらの条文にも、相手方が相当の担保を提供した場合の例外があります。 たとえば銀行保証状です。売主が担保を提示してきたら、判断し直す必要があります。注意点は次のとおりです。
- 不足に見合った額を留保します。機械がほぼ仕様どおり動くのに会社がまったく支払わなければ、売主は遅延損害金を請求したり、会社が契約違反だと主張したりするおそれがあります。
- 留保の理由を書面で通知し、いつ支払うか、またはどの試験に合格したら支払うかを明記します。
- 契約の支払条件を確認します。信用状(L/C)による支払や、すでに署名した書類に連動する支払の場合は、支払の停止がより難しくなることがあります。
- 代金の減額。 機械が使えるが仕様を下回る場合は、代金の減額に合意する、または契約が定める不足分に応じた違約金を適用するほうが、通常は解除より早く済みます。
- 解除と返金。 瑕疵が重大で、売主が定められた期間内に直せない場合に用います。第387条は、まず相当の期間を定めて催告することを求めており、相手方がその期間内に履行しない場合に初めて解除できます。結果として機械を返還しなければならず、すでに基礎に据え付けてある場合や、投資奨励の特典により関税の免除を受けて輸入した場合には困難です。後者は再輸出や処分に条件が付されていることがあります。
権利なく解除すると、会社のほうが契約違反の当事者になり得ます。 解除の通知を送る前に、必ず相談してください。
売主が会社のために銀行保証状を差し入れている場合は、その請求も一つの手段です。請求を受ける側の立場については、請負人が銀行保証状を請求された場合をご覧ください。
7. 稼働停止の損害はどこまで請求でき、契約上の責任制限はどう働くか
第222条は、債務の不履行から通常生ずべき損害と、特別の事情による損害(当事者が事前に予見した、または予見すべきであった場合)の賠償を認めます。機械の場合、問題は、売主が、この機械がどの顧客の注文のために使われるか、また停止によってどのような損害が生じるかを知っていたかどうかです。
保管しておくべき損害の証拠:
- 延期または取消しになった顧客の注文、および会社が顧客に支払わなければならない違約金
- 残業代、外注生産費、試験中に無駄になった原材料
- 機械のシステムが記録した停止時間と、生産計画との対比
そのうえで、契約の責任制限条項を丁寧に読んでください。機械の契約は、間接損害(結果的損害)や逸失利益を除外し、責任の上限を代金の一定割合として設定し、修理または部品交換を唯一の救済(排他的救済)と定めていることがよくあります。第483条はそうした合意を認めますが、第485条は、売主自身の行為や、売主が知りながら隠した事実を免除の対象にしません。また、過度に一方的な定型約款の条項は、不公正契約条項法 B.E. 2540 に基づいて審査されることがあります。したがって、結果は個々の事案の文言と事実によって決まります。
紛争中は、できる範囲で損害を軽減してください。たとえば、旧機械で生産したり、一時的に外注したりして、その理由を記録しておきます。不必要に拡大するのを放置した損害は、全額を回収できないおそれがあるためです。
8. 機械が仕様どおりに生産できない場合のチェックリスト
数値と条件
- カタログの数値と、契約上の保証数値を分ける
- 測定条件を集める:原材料、ユーティリティ、環境、製品の型式、測定方法
- 売主が用途を知っていたことの証拠を探す
試験
- どの試験がどの分割金に結び付いているか、売主に再試験の権利が何回あるかを確認する
- 試験の前に試験方法を書面で合意し、売主を立会いに招く
- 生データを記録し、連続して動画を撮り、不良品のサンプルを保管する
署名する書類
- 署名する前に、受領書と試験証明書の文言を読む
- 性能の検収ではない旨の留保を書く
- 権利を放棄せず、損害を軽減するために機械を使用している旨を書面で通知する
通知と金銭
- 数値と是正期限を付けた瑕疵通知を送る
- 瑕疵を発見した日を記録し、売買か請負かを確認する
- 留保額を不足に見合う額に定め、理由を書面で通知する
- 責任制限と損害賠償の上限を読む
- 稼働停止による損害の証拠を保管する
- 解除通知を送る前に相談する
関連ガイド
- 新工場のための機械の輸入 — 発注前に固めるべき契約条項と、関税免除となる機械の条件
- 商品販売とアフターサービス — 売主側から見た瑕疵責任
- 見積書と注文書の条件が食い違う場合 — 仕様の数値が別々の書類にある場合
- 顧客が検収書に署名しない場合 — 請負人側から見た引渡しと検収
- 請負人が銀行保証状を請求された場合 — 契約に銀行保証状が結び付いている場合
- 顧客が支払額から違約金を差し引く場合 — 相殺と違約金の減額
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