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見積書と発注書(PO)の内容が食い違うとき、どの条件に従うのか

見積書とPOで価格、納期、違約金、裏面の約款が食い違う場合に、どの書類で契約が成立するのか、どの行為が承諾とみなされるのか、着手前の矛盾チェックの方法を解説します。

スワンワラ法律事務所— ビジネス法務チーム2026年10月28日16 min read
見積書と発注書(PO)の内容が食い違うとき、どの条件に従うのか

売主が見積書を送り、顧客が発注書(PO)で返信してきました。ところが数字が合いません。価格は低く、納期は提示より早く、見積書にはなかった違約金条項があり、POの裏面には購入条件の一般約款まで印刷されています。工場はすでに材料を発注済みです。納期が来ると、顧客は自社の書類を持ち出します。いったいどの書類で契約が成立したのでしょうか。

これは企業間取引でよく起きます。双方が自社の書式を使い、誰も突き合わせないうちに作業が始まってしまうからです。本ガイドでは、どの書類で契約が成立するか、価格・納期・違約金・裏面約款がどう扱われるか、着手前にどう確認するかを、民商法典の規定に沿って説明します。大手顧客から契約書そのものが送られてきた場合は、大手顧客から届いた契約書を中小企業が署名前に確認する方法をご覧ください。チャットや口頭で取引した場合は、口頭の契約は有効かが参考になります。

結論

どちらの書類も自動的に優先することはありません。契約は、申込みと承諾がすべての重要事項で一致した時に成立します。見積書は通常「申込み」、POは「承諾」ですが、POが重要事項を変更していれば、それは承諾ではなく、売主が承諾すべき新たな申込みです。売主が言葉または行為で承諾するまで、POの条件は売主を完全には拘束せず、見積書どおりの契約もまだ成立していません。

法的根拠 民商法典第359条第2項は、追加・制限・変更を加えた承諾を、拒絶であると同時に新たな申込みとみなします。行為による承諾に関する第361条第2項は、申込者の意思または通常の慣行により承諾の通知が不要な場合、承諾と推認できる行為があった時に契約が成立すると定めています。第366条は、当事者の一方が重要であると表示した条項は、すべて合意されるまで契約が成立しないとしています。第368条は、契約を信義誠実の原則に従い、通常の慣行を考慮して解釈するよう求めています。第11条は、疑義がある場合に債務を負担する側に有利に解釈することを定め、第5条は権利の行使と債務の履行に信義誠実を求めています。違約金条項は第379条から第383条の対象です。

当事務所の実務的な見方 後から届いた書類を単なる事務手続きと考えてはいけません。見積書と一致しないPOは、そうでないと示せるまで新たな申込みとして扱い、着手前に、受け入れるか、交渉するか、断るかを決めてください。よくある失敗は、矛盾を解消する前に生産や出荷を始めることです。その行為が顧客の条件の承諾と解釈されるおそれがあります。二つの書類が食い違っていたら、まず手を止めて、確認のメッセージを送ってください。

仮想事例 コンケンの小さな木工家具店(「木工店」)が、ホテルに客室用家具120セットを提案しました。見積書には、1セット1,850バーツ、納期45日以内、確認時に半額、納品時に残額と書かれています。ホテルのPOは、1セット1,750バーツ、納期30日以内、遅延1日につき発注額の0.1パーセントの違約金です。POの裏面には、検収後90日以内の支払いと、買主が支払額から違約金を控除できるという条件があります。木工店はすでに木材を発注し、POにはまだ返信していません。

1. 見積書は申込みか、それとも申込みの誘引にすぎないか

すべての見積書が申込みになるわけではありません。商品、数量、価格、条件が、そのまま顧客が承諾できる程度に明確で、有効期限もある見積書は、通常、提示者を拘束する申込みです。「概算価格」「価格は変更されることがあります」「在庫確認が条件」などと書かれた見積書は、顧客に自ら申込みをさせるための誘引にとどまることがあります。その場合は、POが申込みで、それに対する売主の返信が承諾です。

見積書の種類通常すべての点で一致するPO重要事項を変更するPO
品目、数量、価格、条件が明確で有効期限がある申込み承諾となり契約が成立拒絶かつ新たな申込み(第359条第2項)
概算価格、数量なし、または権利を留保誘引POが申込みPOが申込みで、売主の承諾が必要

見積書には「本申込みは____まで有効です。契約は、売主が書面で注文を確認した時に成立します」と明記してください。この文言があれば、売主が返信する前にPOだけで契約が成立してしまうことを防げます。

2. 条件を変更したPOは承諾か、新たな申込みか

この問題の核心は第359条第2項です。追加・制限・変更を加えた承諾は、拒絶であると同時に新たな申込みとみなされます。したがって、低い価格、早い納期、新たな違約金条項を記載したPOは、売主が承諾しない限り、見積書の条件でも、POの条件でも契約を成立させません。

仮想事例では、ホテルのPOは価格、納期、違約金を変更しているため、新たな申込みです。木工店は、返信するまで、見積書にもPOにも拘束されていません。選択肢は三つです。POをそのまま承諾する、自社の条件で返信する(これも新たな申込みになります)、断る。沈黙したまま着手すると、売主の期待どおりの結果にならないおそれがあるため、意識的に選ぶべきです(第5節)。

軽微な点についての注意です。POが顧客の社内文書番号を加えただけのような軽微な点だけを変えている場合、裁判所は当事者の意思と事情を見て承諾と認めることがあります。しかし、価格、数量、納期、違約金は、ほぼすべての売買で重要事項であり、軽微と扱われることを期待してはいけません。また、第366条により、ある条項が重要で合意が必要だと一方が明らかにした場合、その点が合意されるまで契約は成立しません。だからこそ、商品が動く前に双方が重要事項を整理しておくべきなのです。

3. 価格と納期:どちらの数字が適用されるか

価格と納期は最も重要な二つの条件です。書類が食い違う場合、自分に有利な数字を一方的に選んではいけません。次の順で考えます。

  1. 契約は成立したか 数字を変更したPOを売主が承諾していなければ、見積書の価格はまだ合意されておらず、POの価格もまだ拘束力を持ちません。
  2. 売主はどちらの書類を承諾したか 売主が「PO番号____のとおり確認します」と返信すれば、POの数字が適用されます。「見積書番号____のとおり確認します」と返信すれば、顧客が承諾すべき新たな申込みです。
  3. 周辺の資料 メール、チャット、打合せ記録、過去の取引は、第368条(信義誠実と通常の慣行による解釈)に基づき、意思の解釈の助けになります。
  4. なお残る疑義 第11条は、疑義があれば、債務を負担する側(たとえば代金を支払う買主)に有利に解釈します。これは最後の手段であり、計画の前提にしてはいけません。

納期は、日付だけでなく、起算点も確認してください。「POの日付から30日」と「手付と承認済みの図面の受領から45日」は大きく違います。買主が設計を変更したり情報の提供が遅れたりした場合は期間もずらすべきで、それは納品時に争うのではなく、事前に書いておく必要があります。納期遅れの効果は第4節にあります。

待っている間に材料費が変わった場合は、原材料費の上昇と価格調整をご覧ください。

4. 違約金と控除:いつ拘束力を持ち、減額できるか

見積書になくPOにだけある違約金条項は、最も危険な場合です。買主は納期遅れの際に、これを根拠に代金から差し引くことが多いからです。次の点を分けて考えてください。

  • 違約金条項は契約の一部か 売主がPOを承諾していなければ、条項はまだ拘束力を持ちません。承諾していれば、第379条から第383条の違約金です。
  • 過大ではないか 第383条は、過大な違約金を相当な額まで裁判所が減額することを認めています。実際の損害だけでなく、債権者の利益全体を考慮します。どの場合にも減額できると考えてはいけません。事実関係と裁判所の裁量によります。
  • 買主は商品の受領時に請求を留保したか 第381条第3項は、履行を受領した債権者が違約金を請求するには、受領時に権利を留保しなければならないと定めています。買主が異議や留保なしに納品を受け取ったかどうかを確認してください。
  • 代金から控除できるか 代金からの控除は第341条・第342条の相殺の問題で、第344条は、抗弁の付いた債権の相殺を認めません。違約金債務が実際に発生し、争いがないかを確認する必要があります。

詳しくは、顧客が支払額から違約金や損害賠償を控除する場合をご覧ください。買主がそもそも支払わない場合は、法人顧客の未払い請求書が役立ちます。

仮想事例で、木工店が1日0.1パーセントの違約金付きのPOを承諾し、10日遅れて納品した場合でも、ホテルの計算と控除には確認が必要です。金額が何を基準にしているか、上限があるか、遅れは誰の責任か(たとえばホテルが途中で設計を変えた場合など)です。

5. 裏面約款と、承諾とみなされる行為

POや見積書の裏面の細かな文字(「購入一般条件」や「販売一般条件」)が問題になるのは、双方がそれぞれ約款を持ち、それが衝突するからです。たとえば、一方は自社所在地の裁判所を管轄とし、他方は責任を制限します。原則は、約款は印刷されているだけでは拘束力を持たず、相手方が実際に同意した場合に拘束力を持つということです。

承諾とみなされうる行為 第361条第2項は、承諾の通知が不要な場合、承諾と推認できる行為があった時に契約が成立するとしています。よく援用される行為は次のとおりです。

  • POを受け取った後に、その案件専用の材料を発注したり生産を始めたりする
  • POの住所と期日に従って納品する
  • PO番号を記載した手付金や初回の支払いを受け取る
  • PO番号を記載して顧客口座を開設したり請求書を発行したりする

留保なしにこれらを行った売主は、相手方から、違約金や裏面約款を含むPO全体を承諾したと主張されるおそれがあります。ただし、裁判所が常にそう解釈するわけではありません。当事者間のやり取り、通常の取引の仕方、売主がある条項に異議を述べたかどうかが考慮されます。

リスクを下げる方法 着手前に、売主が受け入れる条件と受け入れない条件を明示した返信を送り、顧客に確認を求めてください。文例は第6節にあります。

双方の書類が全面的に衝突する場合 双方が異なる裏面約款の付いた書類を送り、どちらも着手してしまうことがあります。既成の答えはありません。当事者の意思と事情、一致している点、商品や価格などの重要事項、第368条の通常の慣行によって判断されます。衝突していても重要でない一般条項は、合意されたと扱われない可能性があります。そこまで進ませず、重要事項は早めに確定してください。

6. 着手前の矛盾チェック:比較表、確認メッセージ、署名者

材料を発注したり生産を始めたりする前に、次の三つを行います。

A. 比較表を作る 二つの書類を並べ、「適用するもの」の列を埋めます。

項目見積書PO矛盾の有無適用するもの
買主と売主(登記書類どおりの法人名)
品目、数量、仕様
価格、VAT、運賃
支払条件、手付、支払期日
納期と起算点
検収と合格基準
違約金、上限、控除の権利
保証と損害に対する責任
注文の取消しまたは変更
裏面約款、裁判所または仲裁

B. 適用する条件を確認するメッセージを送る 着手前に、売主が受け入れる内容をまとめ、どちらの書類の約款が適用されないかを明示して、顧客に返信を求めます。電子メッセージが有効なのは、電子取引法 B.E. 2544(2001年)第7条が、電子データの形式であることだけを理由に法的効力を否定しないからです。電子署名については、会社契約における電子署名をご覧ください。

____ホテル 購買ご担当者様
____年__月__日付の発注書番号____と、____年__月__日付の当社見積書番号____は内容が一致していません。
木工店は、今回の注文に適用する条件を次のとおり確認いたします。
1) 価格:1セット____バーツ(VAT込み/別)、____セット
2) 納期:手付と承認済みの図面を受領した日から____日以内
3) 納期遅延の違約金:1日につき____、発注額の____パーセントを上限とし、買主側の事由による遅延は対象外
4) 支払い:____
5) 発注書または見積書の裏面約款のうち上記1)から4)と矛盾するものは適用しません。
木工店は、ホテルの権限ある担当者から「上記のとおり確認します」と返信をいただいた時に作業を開始します。
その確認をいただくまでは、木工店は発注書を承諾したものとは扱いません。

C. 権限のある者に確認してもらう POに誰が署名したか、売主側で誰が承諾するかを確認します。購買担当者や営業担当者は、大口注文で法人を拘束する権限を持たないことがあります。株式会社(私有限会社)は、登記された権限を持つ取締役によって拘束されます。大口の注文では委任状または署名権限者のリストを求め、自社内の手続きは法務部門がない会社の契約審査・承認プロセスに従って整えてください。

20,000バーツ以上の動産売買では、民商法典第456条第3項により、責任を負う側が署名した書面の証拠、手付、または一部履行が必要です。そのため、PO、承諾、確認メッセージをまとめて保管してください。買主が検収書に署名しない場合は、顧客が検収書に署名せず請求書を出せない場合を、LINEで追加注文された場合は、LINEで注文された追加作業の証拠をご覧ください。

7. すでに着手していて、書類がまだ食い違っている場合

着手済みなら、次の順で進めます。

  1. リスクを増やさない 確認メッセージを送るまで追加の納品はしません。少なくとも、納品と同時に留保のメッセージを送ります。
  2. 証拠を集める 見積書、PO、すべてのメッセージ、着手日、材料の発注書、納品書、すべてのやり取り。
  3. 矛盾点と、相手方がすでに受け入れた点を特定する たとえば、顧客が見積書の価格で手付を支払ったことなど。
  4. 新たな合意を提案する 実際のコストを見れば、顧客が変更に応じることも多くあります。
  5. 紛争になった場合 通知を送って発送の証拠を残し、納品や控除の前に弁護士に相談します。

誤った書類を選んだ場合の結果は大きく異なります。契約が成立していない場合もあれば、顧客の条件で契約が成立している場合もあります。評価はすべての事実関係に基づき、最終的には裁判所の裁量によります。

8. 見積書とPOがある場合の着手前チェックリスト

書類とメッセージ

  • 見積書に有効期限があり、売主が書面で確認した時に契約が成立すると書いてある
  • 見積書とPOを表で一点ずつ比較した
  • 両書類の裏面の約款を、1ページ目だけでなく読んだ

価格、期間、違約金

  • 価格、税、運賃が一致している、またはどの数字を適用するかをメッセージで確認した
  • 納期と起算点が一致しており、顧客側の事由による遅延の例外がある
  • 違約金条項に、受け入れられる料率、上限、開始条件がある
  • 顧客が支払額から違約金を控除できるか、その際の通知方法が書かれている

確認と署名者

  • 実際に適用する条件を確認するメッセージを送り、着手前に書面で返信を受けた
  • 顧客側の確認者に権限があり、当社側も社内承認を経ている
  • どちらの書類の約款が適用されないかが明確である

確認前の行為

  • 確認までは、案件専用の材料の発注、生産、納品、PO番号を記載した手付の受領をしない
  • 先に着手せざるをえない場合は、留保のメッセージを併せて送る
  • PO、メッセージ、納品の証拠を一つのファイルにまとめて保管する

関連記事

見積書とPOが一致しないからといって不利になるわけではありません。ただし、価格、納期、違約金という重要事項は、着手前に書面で明確に固める必要があります。

当事務所は、見積書とPOの比較、適用条件を確認するメッセージの作成、このような状況に対応した見積書の書式と販売条件の整備、違約金や控除をめぐる紛争の相談をお手伝いします。初回相談をご希望の方は、+66 92 254 2045 までお電話いただくか、詳細をお送りください。あわせて契約書・ビジネス文書の作成もご覧ください。


本ガイドはスワンワラ法律事務所(コンケン県の法律事務所、1986年設立)が発行したものです。一般的な情報であり、特定の事項に関する法的助言ではありません。

Frequently asked questions

見積書とPOが一致しない場合、どちらの書類が契約になりますか+

後の書類や大きな書類が常に優先するという規則はありません。民商法典第359条第2項により、追加・制限・変更を加えた承諾は、拒絶であると同時に新たな申込みとみなされます。そのため、見積書から価格や納期を変更したPOは、売主がなお承諾すべき新たな申込みとなりえます。誰が申込みをし、どの書類が承諾なのかは、第1節と第2節で説明します。

POの裏面に印刷された購入条件は売主を拘束しますか+

売主がその書類に同意したかどうかによります。売主が承諾しておらず、承諾を推認できる行為もなければ、裏面の約款はまだ合意になっていません。ただし、売主が内容を知りながら異議を述べずに着手や納品をした場合は、第361条第2項により書類全体を承諾したと解されるおそれがあります(第5節)。疑義が残る場合、第11条により債務を負担する側に有利に解釈されます。

売主が生産や納品を始めたがPOに返信していない場合、POの条件を承諾したことになりますか+

そのように扱われるおそれがあります。第361条第2項は、申込者の意思または通常の慣行により承諾の通知が不要な場合に、承諾と推認できる行為があった時に契約が成立すると定めています。そのため、着手や納品が、売主にその意図がなくても顧客の条件の承諾とみなされることがあります。第5節では、着手前に留保を記録することを勧めています。

違約金がPOにだけあり見積書にない場合、買主は代金から差し引けますか+

まず、違約金条項が契約の内容になっているかを確認します。なっている場合、それは第379条から第383条の違約金(損害賠償額の予定に当たる定め)であり、過大な場合は第383条により裁判所が減額できます。また、第381条第3項により、履行を受領した債権者は受領時に違約金の請求を留保しなければなりません。代金からの控除は相殺の問題にもなり、第344条は抗弁の付いた債権の相殺を認めません。第4節をご覧ください。

二つの書類が食い違わないように、着手前に何をすべきですか+

両書類の主要条件の比較表を作り、実際に適用する条件をまとめたメッセージを顧客に送って書面で確認を求め、双方の権限ある署名者に確認してもらいます。第6節に表と文例があります。20,000バーツ以上の動産の売買では、第456条第3項により、署名された書面の証拠、手付、または一部履行が必要です。

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